◆【特 集】 Q&A 詳細解説 ◆
「納骨110番 Q&A」の中からより問題の深い案件や詳細な解説が必要なご質問を特集して詳しくご説明いたします
【特集2】何のためにお墓や納骨堂にお骨を納めるの?
- Q: 何のためにお墓や
納骨堂にお骨を納めるの?
A: 「先祖をご供養するためです」とかく私達納骨関係の者が簡単に口にする言葉です。 とりあえず「供養」だと言っておけばご遺族が納得するとでも思っているのか、私自身恥ずかしくもあり、大きな疑問を感じております。
故人を供養することは大切なことです。 しかし、最近懇切にご指導いただいているご住職に「あなたには故人を供養する力があるのですか」と言われた時、 今までの自分の思いが打ち砕かれたような気がしました・・・(中略) 実は故人を偲び、自らの生き方を正していくために亡き人のご遺骨を納めお参りするのです。 その姿をご先祖に見せていく事こそが私達に出る一番の先祖供養だとは思いませんか。
■ 詳細解説■
ご質問の回答として「故人や先祖を供養するためにお墓や納骨堂にご遺骨をお納めお参りしていくのです」とお答えする事は、 ある意味模範的解答であって、誰もが疑うことなく納得する事でしょう。 亡き人を敬い先祖を供養していく心は人としてとても大切なことです。
それだけに供養という言葉を都合良く何にでもあてはめて乱用し、その言葉の大義を果たす事に満足し、 その先にある大切なことを見失ってはいないでしょうか。
ご先祖が何を望んでおられるか、何をしていくことが本当の先祖供養なのか、 そこを明確にせずにただ漠然と「先祖を供養しお参りをするため」と回答しても、実は何の意味もないことなのです。
(問い)さて、あなたはご先祖を供養するために何をしていますか?
(答え)お仏壇の前で手を合わせ、お墓参りに行っております。
(問い)では先祖のため手を合わせ何を望まれているのですか?
(答え)ご先祖が安らかに成仏できますようお祈りしています。
(問い)極楽で成仏なさっているご先祖にさらに成仏を願うのですか?
(答え)私にできる事はそれくらいしかありませんから・・・・・
49日を過ぎ成仏しているご先祖が、ご遺族に自分の成仏を祈ってお参りしてほしいと望いるのでしょうか。 ましてやご先祖を成仏させるほどの特別な能力もない私たちがそのようなお参りをしても意味がありません。
(*先祖を供養したい、先祖に成仏してほしいと願う気持ちは大切なことで、そのこと自体を否定しているのではありません)
亡き人のために、先祖のためにとお参りしているあいだは、 ただ先祖供養をしたという自己満足と意味不明な安心感を得ようとしているにすぎません。
大切なことは、お参りをする事によって自らが何を与えられ、 どのようにいただいていくかということなのです。
お墓や納骨堂に故人のご遺骨を納めお参りして行くこと、実は故人のためにしてあげることではなく、自らのために行うべきことなのです。
故人からお参りという尊い時間を与えられ、 亡き人を偲ぶ事で自らの生き方に目覚め、しっかりと歩むべき方向を見つけていくこと。 そうした積極的なお参りこそが意味のある事であり、ご先祖が最も望まれていることなのです。
残されたご遺族の方がお参りを通し、深い悲しみの中から前に進み、 力強く生きる姿をご先祖に見せていく事こそが何よりも一番の先祖供養になるのです。
制作:Tomb.Client.Service -
監修:真宗大谷派大應寺
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